【HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(旧基準B) 】とは?

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(旧基準B)

食品衛生法が改正されHACCPに基づいた衛生管理が義務化されましたが、『HACCPに基づく衛生管理(旧基準A)』と『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(旧基準B)』とは?
この記事では、『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(旧基準B)』について詳しく分かり易く解説致します。

HACCPに基づく衛生管理(旧基準A)はこちら

>HACCPに基づく衛生管理(旧基準A)

あなたの厨房の当たり前を『見える化』

『取扱う食品の特性に応じた取組』
『各業界団体が作成する手引書を参考に、簡略化されたアプローチによる衛生管理を行う。』

引用: 厚生労働省ホームページ

そもそも「HACCP」とは

HACCPとは、あなたの工場・厨房の衛生管理方法と、どの様に実施されているかを『見える化』する事です。『見える化』する事により、誰が見てもあなたの工場で生産された商品が安全な物である事が一目でわかります。

あなたの工場で製造される商品や、あなたの厨房で調理される食事で人に被害をあたえないように、食材の仕入や保管の方法、取扱や管理の方法、カットや加熱方法など、食材の仕入から出荷(提供)までの一つ一つの工程毎にどんな危険があるのか、例えば、

・食品が納品されて放置されていると食中毒菌が増える
・肉を切った後のまな板でサラダ用の野菜を切ると、肉についている食中毒菌が野菜に付く
・硬い骨を包丁でたたけば、刃欠けし刃が食品に入る
・加熱が不十分だと、食中毒を起こしてしまう

など、食中毒を起こしたり、危険な異物が入ってしまう原因は何があるのか考えて書き出します。
そして、どうすれば起こらないのか、防止できるのかを管理・防止方法を考えて手順書やマニュアルにします。

そうする事で、不十分だった所や出来ていなかった所、曖昧な所が明確になり、不十分だった部分を補う事で、より安全な食事の提供が行える様になります。
この様に、目に見える様にする事(文書化)、あなたの工場の衛生管理がどの様に行われているのかが誰が見ても分かります。

また、しっかりと衛生管理をしている事を記録に残す事で、万が一、食中毒が起こった時の原因を特定出来たり、あなたの工場が原因でないという証拠にもなります。
それがHACCP『見える化』です。
衛生管理の方法が文書化されており、確実に実施しているという記録がある事で、保健所の職員の方が監査に来られた時に、「衛生管理がしっかり出来ていて、安全な食事を提供していますね」と、一目でわかります。

HACCP義務化の対象者は誰?

対象事業者は食品等取扱事業者全てです。
取扱事業者という事は製造や調理は勿論ですが、製造や調理をしていなくても扱っていれば対象となります。

HACCP義務化の対象者について詳しくはこちら

手引書を使って衛生管理計画書作成

あなたの工場や厨房で安全な食品を製造する為に、建物の条件、使用している食材、使っている機械、器具、作業工程、従業員のレベル、作っている商品などの様々な条件や状況に合わせ、食材を受け入れてから出荷されるまでの自社オリジナルの衛生管理計画書を作成し、実施し、実施した証拠に記録を残さなければなりません。

でも、どこからどうやって進めていけば良いのか?

そこで、各業界団体が手引書を作成して厚生労働省のホームページに載せています。

まずは、あなたが製造している業界団体の手引書を見つけましょう。

>HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書

当てはまる手引書がない時は、厚生労働省が作成した『HACCP入門のための手引書』

>HACCP入門のための手引書

例えば、あなたが豆腐類製造事業者だったとします。
豆腐の原材料は○○と○○でと、豆腐製造であれば殆どが同じ原材料を使用されていると思います。原材料が納品されてから豆腐になるまでの工程や使用する機械(器具)も製造規模の大小で違っても危害を起こす原因や管理・防止方法は殆ど同じになるのでは?

手引書は、一般的な原材料を使用した、一般的な作業工程でHACCPの考え方に沿って衛生管理計画書を作成する例が示されています、言うなればひな型です。ひな形を見ながら、あなたの工場と違う部分だけを修正していくと衛生管理計画書が出来上がります。

衛生管理計画書は、『一般的な衛生管理』と『HACCPに沿った衛生管理』の2つに分かれています。

一般的な衛生管理とは

一般衛生管理とは、 施設や設備の衛生管理、使用する水の管理、廃棄物の処理、ねずみや昆虫の駆除、従業員の健康管理やユニホームなどの衛生管理、交差汚染の防止、そして最も大変なのが従業員教育ですね。     
一般衛生管理とは、食品を取り扱う為に整えなければならない基礎で、あなたの工場でも既に実施されていると思います。
でも、HACCPは『見える化』です。

今回の法制化の『一般的な衛生管理に関する基準』で要求されている項目について、実際に行っている管理方法や手順、担当者や清掃などのスケジュールなどを、具体的に誰が、何を、いつ、どうして、どうなる、だから衛生!を明確にし文書化しなければいけません。

手引書に沿って作成してみましょう。

HACCPに沿った衛生管理とは

『一般的な衛生管理』は食品製造の基本です。
基本が整っていなけれなHACCPは意味をなしません。『一般的な衛生管理』が整ったら、次はHACCPです。

『一般的な衛生管理』で、あなたの工場の条件、状況、工程が明確になり、そこでの管理方法や手順が決まりました。

手引書には食材の受入れから出荷までの一般的な作業工程図(フローダイアグラム)が書かれています。あなたの工場を照らし合わせ、工程が違っていたら修正します。ここは漏れが無いようにしっかりと現場を確認しながら作成します。ここで工程が漏れてしまったら、その工程は管理されていない工程となってしまいます。

次に、一つ一つの工程毎にどんな危険があるのか、

・生物的なもの(食中毒の原因になる細菌やウィルス、カビなど増えるもの)
・化学的なもの(農薬や殺虫剤、洗剤などの人工的なものやふぐ毒や毒きのこなど体に害があるもの)
・物理的なもの(骨や針、石や刃欠けなど、体を傷つける物体)

それぞれを考えて書き出すのですが、手引書に既に書き出され、どうすれば起こらないのか、管理・防止方法の例まで書かれています。

そして、食材が元々持っている食中毒の原因となる菌を殺菌し食べても安全な食品にする重要な工程、例えば加熱殺菌、次亜塩素酸ナトリウム殺菌などが書かれて、何℃まで加熱が必要か、浸漬の濃度と時間など具体的な殺菌方法や基準も書かれています。

手引書を参考に、あなたの工場用に手順書やマニュアを書きかえていけば出来上がりです。

後は、簡単。

・確実に全ての食品が殺菌工程の基準を満たしている事を監視し、満たした事を記録する
・万が一、満たさなかった場合にどうするかを決めておき、確実に実施し記録する
・定期的に、間違った手順で作業をしていないか、ルールや基準は間違っていないかを確認する

の流れになります。

まとめ

衛生管理計画書は其々の食材・工程でどの様な危害を考えて、どの様な管理をしているかが1つの手順で文書化される為、監査や指導がし易くなります。
また、計画が効果的で実施が確実にさた事が記録がされていれば、万が一、事故が起こった際の原因究明や原因があなたの工場では無い証拠となります。
HACCPは監査する側・される側、輸出する側・輸入する側にとって、全てを『見える化』出来る、あなたにとって効果的な管理手法です。

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引用: アース環境サービス株式会社

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