【HACCP計画】進め方・導入方法のロードマップ・フローチャートについて解説

【HACCP計画】進め方・導入方法のロードマップ・フローチャートについて解説

HACCP計画の作り方が分かりにくかったり面倒臭かったり、ひな型やテンプレートは無いかしらと思ってしまいますよね。HACCP計画が出来ても上手く運用出来る?と少し不安もあるかもしれませんね。大丈夫です、HACCP 12手順7原則はHACCP成功のロードマップ(進め方)です。

HACCP計画の作り方

作り方は簡単!と言いたいところですが、アメリカ生まれ海外育ちのHACCPは言い回しがややこしい、分かり難く、専門用語ばかりで嫌になりますよね。
しかも、今回の法制化ではコーデックスHACCPと明記されている為、HACCP 12手順7原則を順番に進めていくしか無いのです。HACCP 12手順はHACCP成功のロードマップのような物です。

そうなると、登場するのがHACCP計画作成や運用の為のアプリやソフト。
今は様々なメーカーがHACCP計画作成・運用・記録などが誰にでも出来るアプリやソフトを販売していますよ。
でも、エクセルやワードなど、パソコンには様々なソフトが入っていますが、使用方法を読まずには使えませんし、もしかしたら使用方法を読んでも難しくて一部の機能しか使えないという事はよくありますよね。

先ずは使う側が何の目的の為にその機能があるのか?何に使いたいのかを理解して使わないと、きっと無駄なソフトになってしまいます。
そこで、HACCP計画作成はどんな手順で、どんなフォーマットや記録用紙が必要なのかをご説明致します。

①先ずはフローダイアグラム (作業工程図)

先ずはフローダイアグラムです。あなたの工場での原材料の受入れから出荷、もしかしたら運搬まで、次の事業者に引き渡すまでの工程を漏らさない様に簡潔に書いていきます。書式はどんな物でも良いのですがブロック式が良く使われます。そこに順番に工程を書き込んでいきましょう。

➁次は危害要因分析 (各工程の管理方法を決めます)

フローダイアグラムが出来たら、工程を一つ一つ書き出して、この工程では何を管理しなければならないのか?管理しなかったらどうなるのかを考えて、どの様に管理をするかを決めていきます。

例えば、『食材を仕入れてテーブルに置いておくと、食中毒の原因になる菌が増える⇒管理が必要⇒仕入れたらすぐに冷蔵庫に入れる』という感じ。
ここでは『つけない』『増やさない』『やっつける』で考えると分かり易いかもしれません。

例えば、付けるのは人・環境・食材同士ですよね、増やさない為には温度管理や時間管理、やっつけるは食材がもともと持っている食中毒菌を殺すですね。
難しく考える事はありません。あなたの分かる言葉で書き出してみましょう。
書き出して、『やっつける』になった工程がCCP(必須管理点)ですよ。

危害要因分析

引用: 厚生労働省

③次はモニタリング(監視)方法と改善措置を決めます

ここからはCCPになった工程だけを考えれば良いので、簡単です。
『どうなったら安全?⇒それをどうやって確認する?⇒誰が?⇒どのタイミングで?⇒もし確認して安全な状態になっていなかったらどうする?』を順番に書いていきます。
例えば、CCPが大型オーブンの場合、『中心温度が75℃に達していたら安全⇒一番焼きのあまい場所の食材の中心温度計を刺して確認⇒加熱担当者⇒一回焼く毎に⇒75℃に達していなかったら追加で5分加熱』という感じです。

CCP工程 管理基準 モニタリング(監視)方法 改善措置
何を どのように 誰が どの頻度で
加熱 中心温度75℃以上 食材の中心温度を オーブンの一番焼のあまい位置の食材に直接、中心温度計を刺して 加熱担当者が 加熱ごと ■5分間、追加加熱し、再度、温度を確認
■基準温度に達するまで追加加熱
■製品として出荷できない状態(品質的に)になった場合は廃棄

④次は安全である確認(検証)をします

③で決めたモニタリングと改善措置の方法が正しいのか?従業員が決められた通りに行っているのかを確認します。
せっかく、安全な製品を製造する方法を決めたのに、ちゃんと決められた通りにやっていなければ意味がありません。また、せっかく決められた方法・手順にしたがって作業をしていても、間違った方法であったら、意味がありません。
こんな感じです。『中心温度75℃で何で安全?⇒一番焼きのあまい場所ってホントにそこ?⇒加熱担当者はちゃんと決められたタイミングと手順で計ってる?⇒75℃に達してなかったらちゃんと追加加熱してる?』を確認していきます。

検証 どのように 誰が 頻度は
モニタリング・改善措置記録の確認
(ちゃんとやってる?)
モニタリング・改善措置記録を確認し全製品が基準に達しているかを確認 工場長 作業終了後
担当者の手順の確認
(やり方、間違ってない?)
担当者の手順の確認
(やり方、間違ってない?)
抜き打ちチェック
工場長 1回/3ヶ月
モニタリング方法・改善措置が正しいかの確認
(そのやり方で大丈夫?)
測定位置が正しいか(一番焼があまい場所)を焼き色の薄い食材3か所を測り確認 工場長 1回/3ヶ月
測定機器の校正
(正しく測定されてる?)
すべての温度計でお湯の温度を測り表示温度を確認 品質管理 1回/1ヶ月
管理基準決めた理由・根拠
(専門書や細菌検査の結果など)
大量調理施設衛生管理マニュアル

⑤最後は証拠(記録)を残す方法です

①~④までで作ったで書類は安全な食品を製造する為に、どの様に考えて、どの様に管理しているかの全て示す重要な書類です。また、決められた事を確実に実施した記録も重要です。
更に、何故、75℃が安全と決めた理由は何なのか、オーブンの一番焼きのあまい場所は本当にその位置なのかを実験した結果など、決める根拠となった証拠も必要です。
更に更に、その中心温度計って誤差は無い?
これだけ揃って、安全である証拠となります。

まとめ

HACCP7原則12手順は必要な手順で進めていく事が重要で様式は自由です。
ただ、自由と言われると逆に作り難い物ですよね。サンプルはあくまでもサンプルとして、あなたとあなたの従業員が一番分かり易い言葉と様式で作る事が一番良いです。
HACCPは作って終わりでは無く、やり続ける事が重要です。人任せでは続けられません。

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