HACCP(ハサップ)制度化・義務化はいつから?制度化のスケジュール

HACCP義務化のスケジュール

HACCP(ハサップ)制度化・義務化?そんな言葉を耳にしたり目にしたりしますが、いつまでに何をしたら良いのかの具体的なスケジュールや内容が曖昧だったりします。具体的な内容やスケジュール(猶予期間)、罰則について、ご説明致します。

HACCP(ハサップ) 制度化・義務化までのスケジュール

今までは食品衛生法はあったものの、具体的な食品衛生に関する要求項目や基準、指導などは各都道府県の条例で決められており、保健所の職員の方々は条例に基づいて指導をされていました。食品衛生は、各自治体により指導はバラバラで、担当者によっても指導レベルがバラバラした。そこで、厚生労働省は『HACCPチャレンジ』や『自治体HACCP認証』などを進めながら段階的にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の導入を考えていました。『急にHACCPなんて』では無く、実は随分前から様々な業界団体の反対やご意見を聞きながら法改正の準備をヒタヒタとしていました。

2020年5月まではHACCP周知期間

2018年6月13日に『食品衛生法当の一部を改正する法律』が公布され、その中の一項目に、『HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化』があります。
施行期日は公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日とされており、2020年6月1日より義務化と政令が出されました。

この2年間で、先ずは保健所職員に対するHACCP勉強会を実施し指導力量を身に着ける、各自治体での食品等取扱事業者への説明会が行われ、事業者への個別指導を順次、始めて行く予定でした。
しかし、コロナ禍で保健所職員の方々はてんやわんや、勉強会・説明会など3密は禁止となり延期、周知が十分に出来ていないのが現実ですね。

2020年6月1日 HACCP導入の義務化

とは言え、2020年6月1日から義務化と法律で決まってしまっているので、6月1日から施行、1年の猶予期間ありです。本来ならば保健所の職員の方々がご指導に回り、しっかりと法対応のご指導をして下さる予定でしたが、なかなか難しい様です。人手の問題やコロナの問題もありますが、HACCP手法が指導出来る力量というのが、ハードルが高い。HACCP手法を使いこなし、微生物の知識を持ち、添加物や調理工程を理解し、使用している機器についての知識も必要になります。保健所職員さんも大変です。

その為に手引書があります。待っていてもいつ指導に来てくれるか分かりません。
あなたの工場の事は誰よりもあなたが知っています。手引書を見ながら完全義務化に向けて準備をしましょう。

厚生労働省のHPはこちら

厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」

2021年6月1日 HACCP導入 完全義務化

2021年6月1日からは完全義務化です。あなたが作った衛生管理計画書に沿って衛生管理を実施し、記録を残します。保健所の監査では、あなたの作った衛生管理計画書の考え方や管理方法などが間違っていないかを確認し、決めた管理方法で実施されているかを確認します。法律ですので、出来ている、出来ていないを明確に区別する為に、しっかりと実施し記録を残します。今は当たり前になっている道路交通法と同じ、運転が危険な事を理解し、運転技術を身に着ける、出来なければ車に乗れないという事になります。

HACCP(ハサップ) 完全義務化までに具体的に何をすればいいの?

事業者の規模により、求められている内容、何をすれば良いかが違います。あなたは一般事業者?小規模事業者?

『小規模事業者』とは

・食品を製造(加工)する施設に併設、又は隣接した店舗で全部、又は大部分を小売り販売する事業者
(例:洋菓子の製造販売、豆腐の製造販売、食肉販売、弁当販売など)
・飲食店や喫茶店営業や、集団給食などの調理をする事業者
(例:旅館、病院福祉施設、学校、惣菜工場など)
・容器包装に入れられた食品のみを緒如何し運搬、又は販売する事業者
(例:食品卸問屋など)
・食品を分割し包装し小売り販売をする事業者
(例:八百屋、米屋等)
・食品の取扱いに従事する人が50人未満の事業者

と比較的、小規模な事業者と、食品衛生のリスクが低い事業者です。

『一般事業者』とは
小規模事業者以外の大規模事業者と、と畜場、食肉処理場、食品衛生のリスクが高い事業者です。

HACCP「小規模事業者以外の大規模事業者」

では、具体的に何をするのかはこちらを御覧下さい。

『一般事業者』はこちら

『小規模事業者』はこちら

なぜ制度化・義務化されたのか?HACCP(ハサップ)の背景について

なぜ、HACCP(ハサップ)の義務化が必要だったのでしょうか?
ひとつは、オリンピック・パラリンピックの東京開催です。
世界中からたくさんの選手、たくさんの偉い人が集まってきます。もし、オリンピック開催中に選手村で食中毒事故が起こったら、宿泊しているホテルや会食会場で食中毒事故が起こったら、それは大事です。
そこでHACCPです。

まず、第一に、先進国では随分前から国際的な食品衛生管理手法として推奨されているHACCPが義務化されています。HACCPは食品安全に基本なのに日本ではHACCPが義務化されていない?それが原因で食中毒事故を起こしたという事になります。

次に、HACCPでは、どの様に衛生管理が行われているか、間違いやミスが無かったかが明確になり、何が原因なのかが分かります。あなたの無実を証明する証拠となります。

もうひとつは、食中毒事故が減らないという事です。
条例で決められた衛生管理通りに全ての事業者が出来るか?
人手が無い、工場が狭い、設備が無い、お金が無いなど、様々な理由で指導され分かっていても出来ない事がひとつくらい、あるのでは?
今までは『出来る』・『出来ない』の100か0でした。
HACCPはあなたが出来る方法を考えて実施する、80でも50でも良いんです。0で無い事が大切。
あなたの工場での問題点に対して、あなたが出来る方法を考える事がHACCPの一番重要なところです。

HACCP(ハサップ)無視しても大丈夫?罰則はあるの?

今までは罰則はありませんでしたが、『食品衛生法当の一部を改正する法律』の項目に『営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設』があります。何が言いたいかというと、法律を守らなければ営業許可が取れないという事です。2021年6月1日 完全義務化に伴い、2021年6月1日より『営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設』の施行です。営業許可や更新の申請時にはHACCPに沿った衛生管理計画書が必須となり、義務化を無視していれば営業停止となります。

罰則について詳しくはこちら

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引用: アース環境サービス株式会社

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