HACCP認証の種類・分類、各種ハサップマーク・ロゴについて解説

HACCP(ハサップ)制度化・義務化はいつから?制度化のスケジュール

HACCP認証を受ける目的は、マーク・ロゴを商品に付ける事が出来る。また、店頭にマークを掲示する事が出来るという事ですよね。認証を受けるという事は、あなたの工場の製品が衛生的に作られた物で有る事が誰が見ても分かる様にしたいからですよね。
HACCP認証の種類について解説いたします。

HACCP認証の種類について

HACCPの認証は大きく3つに分類できます。

1.それぞれの地方自治体によるHACCP認証
2.それぞれの業界団体のHACCP認証
3.それぞれの民間団体のHACCP認証

それぞれの地方自治体によるHACCP認証

なぜ、わざわざ『それぞれ』を付けたかと言うと、地方自治体により認証を受ける為の要求事項も異なり、呼び方や認証マークも違います。そもそも、食品衛生は食品衛生法で決められた最低限度の衛生管理にそれぞれの地方自治体が条例で食品衛生について指導を行っています。その為、保健所さんの指導も自治体によって違いますし、営業許可の更新年数も異なります。何だか変ですよね。

まあ、それは良いとして、県名の後に『食品衛生自主衛生管理認証制度』を付けている自治体があるので、HACCP認証と検索しても上手く検索できないかもしれません。

それは、元々、HACCPが法制化になる前から、食品衛生のレベルを上げる為に各地方自治体が設けた制度なので、HACCPでは無く一般的な衛生管理が主な要求項目の認証もありますし、そもそもHACCPの考え方が無かった自治体もあります。

例えば、大阪では『大阪版食の安全安心認証制度』と前から想像できるように、一般衛生管理がメインです。
逆に、埼玉県では、、『彩の国ハサップ』として認証制度を設けており、随分前から条例でも『一般的な衛生管理』と『HACCPに沿った衛生管理』のどちらを施設側が選択して衛生管理を行うなど、HACCP推進に力を入れています。

また、『彩の国ハサップ』として認証を受けており、認証を受けると
①埼玉県保健医療部食品安全課のホームページで施設名を公表。
②店頭掲示用の彩の国ハサップ取組確認済票が頂け、店頭に掲示出出来る。
③製造加工等した製品に指定のマーク・ロゴを使用出来る。
などの特典があります。この3特典は多くの自治体が行っています。

岐阜県でも『岐阜県HACCP導入施設認定制度』とかっちりした名前を付けていますよ。

ただ、問題は、『HACCPに沿った衛生管理で認証をしているか』『一般的な衛生管理で認証をしているか』が各都道府県により異なります。

各自治体が独自に実施している HACCP の認証制度については、実施自治体によって内容や要求水準が異なっているため一概に「HACCPに基づく衛生管理」の要件を満たしているとは言えません。地域振興等の目的で実施されているものもあるため、今後これらの認証制度をどのように運用するかは各自治体の判断に委ねられます。

それぞれの業界団体のHACCP認証

こちらも地方自治体と同様に業界団体が業界の食品衛生レベルを上げる為に認証制度を設けています。

フードサービス業界では

・日本給食サービス協会
・日本惣菜協会
・日本弁当サービス協会
・日本医療福祉セントラルキッチン協会

それぞれの製造品ごと、業界団体では

・日本乳業技術協会
・全国味噌工業協同組合連合会
・全国醤油工業協同組合連合会
・日本食品油脂検査協会
・全国清涼飲料連合会
・全国調味料・野菜飲料検査協会
・日本ソース工業会
・全国菓子工業組合連合会・・・・・・etc

たくさんあり過ぎて、ちょっと挙げきれません。あなたの工場の製造品で検索してみて下さい。

ただ、こちらもHACCPが法制化になる前からの認証制度です。業界団体によって内容や要求水準が異なっていますので、一概に「HACCP に基づく 衛生管理」の要件を満たしているとは言えません。
また、地方自治体と異なり、施設・設備などのハード面の要求水準が高く、『HACCPはコストが掛かる』というイメージを付けてしまった団体もあります。

それぞれの民間団体のHACCP認証

代表的なのは、ISO220000ですね。他にもFSSC22000、SQF2000、それから、日本の民間認証機関である日本食品安全マネージメント協会の認証JFS規格があります。

そもそも認証はあなたの工場がお客様にとって安心出来る工場かを簡単に説明する為の保証書の様な物ですよね。

各民間団体も保証書にならなければ意味が無いですし、お客様の信用に値しなければ意味がありませんので、一般衛生管理・HACCP・マネージメントまで、しっかりと基準を設けて、審査した上で認証を出します。
認証によって、重要としている部分は違います。例えば、ISO220000はマネージメント重視という感じ、FSSC22000は食品衛生重視ですね。

他に、少し難しい話になりますが、世界食品安全イニシアチブ(Global Food Safety Intiative)」=「GFSI」という、世界中の小売業や食品メーカー、フードサービス業、サプライチェーンに関わるサービス・プロバイダーから業種を超えて協働して食の安全に取り組む組織があります。ここでは、世界中の様々な認証について精査し、グループ分けをしています。

GFSIは『食品安全マネジメントシステム』のベンチマーキング=『国際標準規格』に値するか、そうでないかを判断し、国際基準規格として承認しています。
という事はGFSIで承認された規格は全世界に通用するという事になります。
そして、GFSに承認された規格を、一般的に「GFSIベンチマークスキーム」、あるいは「GFSI認証規格」などと呼びますよ。

他にもメリットがあります。例えば、A国に輸出する為に、アの認証を受けなければいけない、B国に輸出する為にイの認証を受けなければいけないと、輸出国が複数に増えると大変な事になります。GFSIは様々な規格をグループに分けて同じグループであれば、=(イコール)として良いとしています。
GFSI認証規格で良くしられている物には、

・FSSC22000(オランダ)
・SQF(level 2)(米)
・JFS(JFS-C)(日本)

があります。他にも各国の民間認証機関が承認を受けています。

ここで、おやおや?・・・ISO22000がありません。そうなんです。ISOは食品衛生部分で前提条件プログラム(一般衛生管理)の要求事項が少し弱いんです。
でも、日本の規格が出来たのは、つい最近の事です。世界で認められる規格が日本にあれば輸出を目指す工場にとっては、嬉しい事ですよね。

今回の法制化でも厚生労働省【HACCP に沿った衛生管理の制度化に関するQ&A】では、以下のように回答しています。

「HACCPに基づく衛生管理」と同様、コーデックスのHACCPの7原則を求めている民間認証である JFS、FSSC22000、ISO22000、SQF 等を取得した施設については、保健所等による立入検査等の際に、民間認証の取得に必要な書類や記録、審査や監査の結果等を活用して、監視指導を行うなど事業者負担の軽減に配慮します。

引用: 厚生労働省ホームページ【HACCP に沿った衛生管理の制度化に関するQ&A】

まとめ

どの認証を受けるかは、目的によって変わります。
あなたのお店や工場では、しっかりとした衛生管理をしていますよとお客様に見せるという事では、地方自治体や業界団体の認証はとっても効果的です。

駅前の居酒屋さんに国際規格の認定は必要ありませんが、海外輸出を考えている工場では国際規格の認定が必要な国もあります。
ただ、一部でHACCPが法制化された今、地方自治体・業界団体のHACCP認証が必要なのか?という事で廃止とする団体もあるようです。

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