HACCPのコンサルタントやアドバイザーって資格が必要?
コーディネーター養成講習や責任者養成講習、普及指導員養成講習など、HACCP関連の講習が数多くあります。
1日講習から3日間講習まで様々ありますし、費用も様々です。
「あなたの食品工場の為に必要な講習は?」、「コンサルタントになる為の講習は?」などHACCPの資格について解説します。
INDEX-目次-
HACCPのコンサルタントやアドバイザーになる為の資格はありません。
結論からいうと、残念ながら資格はありません。
しかし、知識と経験、スキルは必要です。
誰でもHACCPコンサルタントとしてお仕事をする事が出来ますが、コンサルティングが出来るか如何かは分かりません。
実際に、HACCPブームに乗ってたくさんのコンサルタントさんがいらっしゃるようで、程度もバラバラ、一般衛生管理(前提条件プログラム)をHACCPと勘違いされている方もいらっしゃいます。
どんなコンサルティングも同じだとは思いますが、依頼先の設備的な条件や取り扱っている食材、製品が違う為、様々な知識や経験による対応が必要ですよね。
では、どんなスキルが必要?
・HACCP全体像の理解(前提条件プログラムとHACCP)
・HACCP12手順の進め方の正しい理解
・HACCPプラン・システムをお作成出来るスキル
・微生物に対する知識
・製造方法や製造システムに対する知識
・製造機器・設備、モニタリング機器に対する知識
などは最低限度、必要でしょうか。
製造方法や製造システムに対する知識や製造機器・設備、モニタリング機器に対する知識は、依頼先で教えて頂く事も可能ですが、モニタリング機器などは、コンサル側からの提案が求められる事もあります。
先ずは、コーディネーター養成講習や責任者養成講習、指導者研修などを受講され、HACCPに必要な知識を身に付け、ロジックを理解しHACCPプラン・システムが作成出来るスキルを身に着ける事が大切です。
コーディネーター養成講習・責任者養成講習
『HACCP 講習』 『HACCP 資格』などで検索すると、たくさんの講習があります。
1日研修から3 日間研修まで、時間も金額も様々だし、どの講習を受けるのが効果的で、どんな資格がもらえるのでしょうか?
そもそも、コーディネーターと責任者は同じです。あなたの工場でHACCPチームを構成した場合の中心になる人で、HACCP責任者がチームメンバーからの情報や意見を取りまとめ、HACCPプランやシステムを構築する、HACCPの担当責任者です。
HACCPチームは仕入責任者や製造責任者、品質管理責任者などの食品衛生に関わる部門担当者や営業や経営者などにより構成されている事が多いです。
具体的な講習内容は?
1日講習のパターンはだいたい決まっていて
・HACCP概要
・前提条件プログラム
・HACCP12手順7原則
・ハザード(微生物)
の内容で座学がほとんどです。本を読むのと変わらないのではと思いますが、本を読むより解説されるので、分かり易いのでは無いでしょうか。
3日間(Web講習含む)講習では、上記1日講習の座学にプラスし2日間の演習を行います。
1日講習の座学が1日、現在は座学をWebで行う講習が多いと思います。
この演習ではHACCP7原則に沿って実際にHACCPプランを作成していきます。
この演習をするかしないかで大きく理解度が異なります。
私も講師を務めさせて頂いた経験がありますが、知識で持っているのと、実際に使えるのでは大きな違いがあり、実際に進めてみると自分の理解が不十分であり、また、HACCPプラン作成がとても独特であり、難しい事に気が付きます。
その気付きが、責任者にとってとても重要で、更に理解を深めるきっかけになります。
この3日間講習を終えると、実施した機関から認定書が頂け、名刺にも書ける肩書になります。
と、なると、どこの認定をもらうか・・・というのも重要です。
一般社団法人を含め、たくさんの民間団体が責任者・コーディネーターなどの講習を行い、認証を出していますが、迷ったら『公益社団法人 日本食品衛生協会』が良いかもしれません。なにせ公益社団法人ですので。
インストラクター、HACCP普及指導員は?
コーディネーターや責任者で経験を積んだ後は、インストラクターへのステップアップも可能。コーディネーターや責任者講習を受けた団体でインストラクターや指導者講習を行っているのでは?
指導者講習では、主に指導者としての監査や指導の方法などの演習となり、先に3日間のHACCPに特化した講習を受講した後でなければ講習への参加も出来ません。
講習後にテストがある機関もあり、私個人はテストがある機関をおすすめします。
試験がある・なしでどこを受講するかを考えたりしませんか?
簡単に取れる資格は他も簡単に取っていますので、価値としては資格というより受講証明書の様になってしまっている認証もあります。
更にステップアップ
あなたがコンサルタントとしてお仕事をされるのであれば、誰でもが知っている民間認証の監査員資格を持っては如何でしょう?
例えば、ISO22000とか、JFSMとか。民間認証取得を目指されている食品工場は年々増えていますし、関心も高くなっています。
監査員であれば認証取得の為のコンサルティングも当たり前に出来ると誰でもか分かります。
勿論、しっかりとした実績が無ければ講習も受けられませんし、試験も受かりませが、あなたが食品工場で品質管理や衛生管理の仕事やHACCPチームに参加していたなどの実績があれば、チャレンジできます。
まとめ
私自身、コーディネーター、インストラクター、普及指導員、民間認証機関の監査員などの資格を持っていますが、一番、コンサルティングで役に立ったのは、自身の経験以上に情報でした。
認証機関で認証を受ける事で、情報を得やすくなります。
定期的に開催されるセミナー配信サービスやニュースもそうですが、機関によってはFacebookなどでグループを作成し登録する事で、たくさんの方に相談が出来るような対応をされているところもあります。
食品衛生法の改正の詳しい情報も、自身が登録ている民間団体のセミナーなどで一早く得ることが出来ましたよ。
HACCP導入のトータルサポートが
できるおすすめ業者
小規模事業者におすすめ!
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引用: アース環境サービス株式会社
アース環境サービス株式会社
害虫駆除や清掃など環境衛生を専門とする企業。「総合環境衛生管理」を理念とし、食品工場から一般家庭まで幅広くサポート。衛生環境の診断から総合的な支援の仕組みを構築しており、特に環境衛生が重要な小規模事業者にお勧めです。
小〜中規模事業者におすすめ!
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引用: 東邦電気工事株式会社
東邦電気工事株式会社
空調設備が得意な設備施工会社。食品工場の様々なご相談を頂くなかで、ハード面だけでは無くソフト面のサポートも必要と、自社にHACCPの専門部門を設置しハード面・ソフト面をバランス良くサポート。中規模の食品加工事業者様にお勧めです。
大規模事業者におすすめ!
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引用: 創実ファシリティーズ
創実ファシリティーズ
長年、食品製造施設で培ったノウハウをもとにHACCPハードプランのコンサルティング・レイアウト設計・施工業務は看板業務として、民間認証取得サポートなどのソフト面のサポートも積極的に行っています。大型食品加工事業者にお勧めです。